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民法の短答対策の位置づけ

それは、論文のマイナー分野対策ということでしょう。

話を最初から書いてきます。

司法試験が迫った、1月半ばというこの時期、短答が苦手な方はもちろん、得意な方にも意識してもらいたいのが、
民法の短答対策です。

もともと、司法試験の論文対策も短答対策も一緒だという声もありましょうが(実は私もこの立場なのですが)、ここでは、論文で書くために論証を意識する必要がある分野の勉強を論文対策、そうでない分野を短答対策としましょう。

刑法でいえば、共謀共同正犯は論文対策の分野、刑の執行猶予は短答対策の分野となるわけです。

ただ、論文で共謀共同正犯の箇所を、判例も含めてしっかりやればそれは短答対策になるわけで、論文対策と短答対策ははっきりわかれるわけではありません。

では、民法の次の判例を学習することは、論文対策でしょうか、それとも短答対策でしょうか。

ディーラーAがサブディーラーBに中古自動車(登録済)を所有権留保付で売買した(第一売買)。さらに,BがこれをユーザーCに販売し,Cは代金を完済して引渡を受けた(第二売買)。ところが,その後,BがAに代金を支払わないまま倒産したため,Aは,第一売買を解除した上で,Cに対して所有権に基づいて当該自動車の引渡を請求した。CはAの引渡請求を拒めるか。
→Aの引渡請求は権利濫用にあたるので、CはAの引渡請求を拒むことができる。

この判例、ご存知の方も多いと思います。

ただ、論文で出るか否かといった観点から考えるとどうでしょうか。

おそらく、「重要分野とまではいえないが、論文で出ないかといったら、出ないとは断言できない」
といった、答えになってしまうでしょう。

短答では出ます。
でも、論文では微妙。

ただ、論文試験で出てしまうと、知らないと致命傷。

そんな分野が、民法ではたくさんあります。

民法の短答対策=論文のマイナー分野対策 といった観点で、
ぜひこれから学習を進めていっていただきたいと思います。


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預貯金も遺産分割の対象に【判例変更】【論証考えてみた】

いやーついに、判例変更ですね。予想されていたことですが。

http://www.sankei.com/affairs/news/161219/afr1612190019-n2.html

旧判例下でも、相続人全員の同意があれば、預貯金も遺産分割の対象となりました。
しかし、逆に言えば、相続人全員の同意がなければ、預貯金は遺産分割の対象とならなかったわけですね。

ところが、預貯金は当然分割されるとした旧判例が変更され、預貯金も遺産分割の対象となるという判断が
平成28年12月19日になされました。

司法試験受験生にとって大切なのは論証できること。
流れとしては

預貯金だから可分債権だから当然分割とも思える。
    ↓
しかし、現金と同様に、相続人間の調整に使う必要がある。
実際にも、預貯金が相続財産の大部分であるが、特定の相続人に過大な生前贈与がなされている場合などには
預貯金も遺産分割の対象として、相続財産分配の調整に使う必要がある
    ↓
従って、預貯金も遺産分割の対象になる。

みなさんも普段の勉強から、「論じること」を意識していますか。
法律ニュースを見るときも、論文でどう書くかを意識しましょう!

冬至も過ぎて、どんどん寒くなってきます。



たまにはおいしいものでも食べて頑張りましょう!


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物権的請求権と登記請求権

先日、LECでは司法試験予備試験の口述模試があり、私は民事実務の試験官をやりました。

LECの口述模試は、時間が長い! 会場がきれい!! と毎年好評らしいです。

ただ、そこで一つ気になったのが、物権的請求権と登記請求権を混同しているような。

もちろん、みなさん違いは分かるでしょうが、それぞれの種類を正確に言えますか?

まず、物権的請求権から。

物権的請求権は返還請求権,妨害排除請求権,妨害予防請求権の3つに通常分類できます。

その内容ですが、物権的請求権は物権の内容を完全に実現することが妨げられ、あるいは、そのおそれがある場合に、その妨害を生じさせている者に対して物権の内容の完全な実現を可能にするような行為を請求できる権利でして、

返還請求権は、占有が奪われている場合にその回復を請求するもの

妨害排除請求権は、占有以外の方法により物権の行使が妨害されている場合にその排除を請求するもの

妨害予防請求権は、物権侵害のおそれがある場合に、そのおそれを取り除くよう請求するものです。

一方、登記請求権は、争いがあるものの、妨害排除請求権の一種とするのが多数説です。

そしてこれも三種類ありまして

物権的登記請求権とは,現在の実体的な物権関係と登記とが一致しない場合に,この不一致を除去するため,物権そのものの効力として発生する登記請求権のことです。

債権的登記請求権とは,当事者間の契約ないし特約の債権的効果として発生する登記請求権のことです。

物権変動的登記請求権とは,物権変動の過程,態様と登記とが一致しない場合に,その不一致を除去するために,物権変動の過程を登記面に忠実に反映させるべきであるとの要請に基づいて認められる登記請求権のこととなります。

論文で書く機会がないとは言えないでしょう。
口述試験がない司法試験の方も、この機会に見直しておいてください。

最近は、物権の知識が不十分な受験生が増えた気がします。

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法定承継取得説が問題となる2つの場面

民法94条2項の法定承継取得説について、本日は解説します。

法定承継取得説は、要件事実論の関係で聞いたことはある人は多いでしょう。
しかし、基本書等ではあまり触れられないところなので、理解がいまいちな方もいらっしゃると思います。

今日は司法試験対策ということで、割り切ってお話しましょう。

法定承継取得説が問題になるのは、主に2つの場面

・要件事実論が正面から問われた場合
・(虚偽表示の)表意者からの取得者と第三者の関係が問題になる場合

になります。2つに分けてお話しましょう。

1、要件事実

例)YはAに甲土地を仮装売買し、Aに引き渡した。その後、AはXに土地を売ったが、未だ土地はYが占有し、登記もY名義である。
XがYに土地の引渡を求める場合の要件事実如何。
(単純化のために登記の話は省略します)

まず、Xとしては、Yのもと所有に権利自白が成立していることを前提として
①YA売買
②AX売買
③Yが甲土地を占有していること
を主張立証するでしょう。

それに対し、Yは抗弁として、
①YA売買が虚偽表示であること
を主張立証するでしょう。

これに対し、Xは自らが94条2項の「第三者」であることを主張したいところですが、これはいかなる意味を持つでしょうか。

判例は、善意の第三者が、仮装売買の目的物の所有権を取得できる根拠は、94条2項の法的効果によって、直接、虚偽表示の表意者から第三者が所有権を取得することに求めているようです。
司法試験の理由付けとしては、94条1項の効果が無効なことと整合的に解釈でき、法律関係を複雑にしないこと、をあげておけばよいでしょう。

とすれば、94条2項の「第三者」に該当するとの主張は、虚偽表示が無効なことと両立しますので、再抗弁ともなりそうです。
しかし、よくよく考えると、94条2項の「第三者」に該当するとの主張は、Yから直接所有権を取得したとの主張にすぎないので、新たな所有権取得の原因を示したと考えるのが妥当でしょう。
すなわち、94条2項の主張は、売買等と同じく、単なる所有権取得を表す主張なのです。

従って、予備的請求原因事実になります。

2、(虚偽表示の)表意者からの取得者と第三者の関係が問題になる場合
例)YはAに甲土地を仮装売買し、Aに引き渡した。その後、AはXに土地を売ったが、登記はY名義である。
そこで、Yは甲土地をBにも売った。XとBの法律関係如何。

これは、有名な論点で、対抗関係になるという結論は、みなさんご存知でしょう。
しかし、その理由付けをしっかり書けるでしょうか。

司法試験の答案で、理由付けを書かない人がいますが、法律学は理由が命です。
必ず書きましょう。

理由付けも、法定承継取得説です。
すなわち、XはYから94条2項の法的効果として、直接、所有権を取得する。
とすれば、BYは、Xを起点とする二重譲渡類似の対抗関係になるので、その優劣は登記で決する(177条)。
といったことになります。

基本論点をひとつずつ、確実に理解して、司法試験合格を目指しましょう。

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契約類型の決定

直前期に確認しておいてほしいのが契約類型の決定


例えば、武山は最近メタボなので、採寸してオーダーメードのスーツを作ってくれるよう、A店に依頼した。
このオーダーメードのスーツを作成する契約は何か。







さて、答えは出ましたか。
通常は、製作物供給契約 ですよね。
おそらくスーツ生地もA店が用意すると思われますので。製作物供給契約の典型例です。
売買と請負の融合です。

処理方法も自説を固めておいて下さい。

私なら、売買と請負の混合契約なので、その場面場面ごとで、性質上、売買の条文が適用されるか、請負の条文が適用されるか決定されるという説に立って書いていきます。

あと、焦っていると、製作物供給契約は意外と忘れてしまうので注意してください。
(売買か請負と決め打ちで書いてしまう恐れ)。

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プロフィール

takeyama

Author:takeyama
知識じゃなくて、リーガルマインドと伝える力
を養成することを目標とする、
LEC東京リーガルマインド司法試験講師武山茂樹のブログです。

近年、司法試験業界でも、まやかしのような勉強法が流行しています。
しかし、起案とその吟味の繰り返しでしか実力はつきません。
私は、起案教育こそが司法試験に役立つとの信念のもと、実務でも通用する正統派の講義を目指します。

新橋虎ノ門法律事務所の共同代表として、弁護士もやっております。
司法試験受験生に役立つ情報を提供していきます。

★その他のブログ等
司法試験と予備試験

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世界一わかりやすい法律の授業を目指すブログ

不動産の法務と税務

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→https://twitter.com/takeyam33102813

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