基本書書評シリーズ1~古い基本書と新しい基本書
また、大前提として、司法試験で出題されるような論点はだいたい書いているものが対象です。
学者の先生の書かれる基本書は、一部の入門書を除き、だいたい上記の条件を満たしています。
司法試験や予備試験あるいはロー入試(既習)で使う、インプットツールとしては基本書か、予備校本がよくあげられます。この2つの論争については昔からあるのですが、割愛します。
僕自身ナンセンスだと思うんですよね。確かに基本書の方が、(学説の描写などが)正確、予備校本の方が、すっきりまとまっている傾向があるとか言われてますが、この2つは互いの意識により接近しており、はっきり言って「書いた人による」状態になっています。
そこで、今回は基本書にフォーカスを当てましょう。
基本書を読むにしても、やはりメインは、最近出版された定評のある基本書の方がよいと思います。
例えばリーガルクエストシリーズとか、基本○○とか。
僕はリーガルクエスト会社法が好きですね。ほどよく実務的な観点も入っていて。
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法律は、絶えず変わっています。判例もどんどん新しいのが出てきます。
古い(かつ改訂されていない)基本書にはそこは載っていません。
そこで、最近の定評ある基本書を選ぶことになります。
一方で、古い基本書にも良い点はあります。
あくまで傾向ですが、古い基本書の方が、体系的に洗練されており(但しそれが試験に有効だとは限らない)、ケースが少なく読みやすかったりします。また、今より触れられている論点が少ないせいか、ある論点にはとっても詳しかったりします。
我妻先生のダットサン民法は、コンパクトな教科書で、論点が詳しいというわけではありませんが、今でも出版されていたりします。
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私が司法試験を勉強した時代の基本書は、今でも改訂されているものもたくさんあります。
民法で言えば、潮見先生とか佐久間先生とか。
また、現在では少し古くなってしまったなというものもあります。
もちろん、司法試験講師になってから読んだものもたくさんあります。
まとめると
新しい基本書...ケースが多い、判例の引用が豊富、みやすい(レイアウト的に)、問題点に対応している
古い基本書...ケースが少ない、判例の引用はそこまで豊富ではない(そもそも新しい時代の方が判例の絶対量が多い)、学説の紹介がやや豊富、体系的、ものによっては見にくい。
こんな傾向があると思います。
次回から、具体的に書評も書いていこうと思います。

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