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耳から聞く憲法条文 第7条、第8条

司法試験や予備試験短答式試験に役立つ、耳から聞く憲法条文第2弾です。
条文もブログに掲載しますし、必要最低限の論点解説もブログに記載します。

<第7条>


第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。

・条文を押さえたうえで、7条解散の論点を思い出しましょう。
論証例はこんな感じです。

 国会の解散は69条の場合に限られるのか。
この点、議院内閣制の本質は、内閣と国会の対抗関係にあるので、内閣側からの解散も認めるべきである。
 では、内閣から国会を解散できるとする法的根拠はなにか。
解散権は形式的には天皇の下にある(7条3号)。そして、その実質的判断権は、助言と承認をする内閣にある。
 よって、内閣の解散権行使は、7条3号によって認められると解する。

※均衡本質説からの論証ですが、責任本質説からも、権力分立の趣旨だとか、内閣側から民意を問う必要性があるとか様々な理由付けができます。

なお論証の理解が不十分だという方は、7科目の論証を全12時間で回せる講座も用意しております。
【司法試験】講師オリジナル論証集 解説講義(2022年合格目標)


<第8条>



第八条 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

・少額の財産授受は8条の対象ではありません。

どんどん続きます。


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【司法試験直前企画】耳から聞く憲法条文 前文~第6条

司法試験や予備試験の短答式試験が迫ってまいりました。

司法試験の方はもちろん論文がメインなのですが、最低限短答対策もやっておきたいところです。
予備試験の方は、少し前から短答対策に切り替えていることでしょう。

2022年は、試験直前企画として「耳から聞く憲法統治の条文」というテーマでブログを書いていきたいと思います。
私の仕事のパートナーである古池税理士が、ちょうどyoutubeに憲法条文を音読して、簡単な解説(司法試験レベルではなく一般人目線の解説です)をしております。

これを聞き流すだけでも、条文のよい確認になります。
統治に関しては手薄な方も多いでしょうが、条文と論文論点を確認しておくだけでそれなりに短答の点数も取れます。
(かくいう私も、試験直前は、条文と論文論点の確認しかやっておりません。

ぜひ条文を耳から聞いてください。
ブログには、条文も掲載しておきます。youtubeを再生しながらぜひ聞いてみてください。

また、私からの簡単なポイント解説もブログに記載しておきます(本当に最低限なものですが、私が短答直前にここまで確認していたというのをお見せします。結果的にはこれで十分なわけです。)
ささやかですが、ぜひ試験対策に役立ててください。


<前文>


1 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
2 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
3 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
(項番号は武山記載)

・第2段落の平和的生存権は、抽象的権利と解されています。
・「主権」概念は、①統治権、②最高独立性(他国の支配に服さない)、③国政の最高決定権の3つがあります。
 第1段落の主権は③国政の最高決定権を、第3段落の「自国の主権」は②の最高独立性を表しています。

<第1条、第2条>

第一条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
第二条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

・細かい論点はありますが、取り急ぎ象徴天皇制の意味のみを知っておけばよいでしょう。また、世襲制は第2条によると憲法の要請ですが、男系天皇制は皇室典範の定める法律事項です。
 なお、人権と絡む論点で、なぜ天皇は一般国民より人権が制限されているのだとか、女性天皇が認められないのは14条1項違反ではないかとか、天皇が大嘗祭等を行うのは政教分離原則違反ではないか(いわゆる「君主の宗教」の問題)とか様々な論点があります。ただ、これに対しては、1条が象徴天皇制を認めている以上は、憲法が容認しているという回答ができます。象徴天皇制を敷衍すると、そこまで出てくるのです。憲法の短答問題は、条文をおさえて、現場では条文から考えていく力が求められていると思います。

<第3条、4条>


第三条 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。
第四条 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
② 天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

・細かい論点がありますが、取り急ぎ条文を確認しましょう。

<第5条>

第五条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第一項の規定を準用する。

・これも取り急ぎは条文の確認だけで結構です

<第6条>


第六条 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
② 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

これは重要です。
・内閣総理大臣 国会の指名、天皇の任命
・最高裁判所長官 内閣の指名、天皇の任命
ここは押さえておいてください。

続きはまたアップします。

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プロフィール

takeyama

Author:takeyama
知識じゃなくて、リーガルマインドと伝える力
を養成することを目標とする、
LEC東京リーガルマインド司法試験講師武山茂樹のブログです。

近年、司法試験業界でも、まやかしのような勉強法が流行しています。
しかし、起案とその吟味の繰り返しでしか実力はつきません。
私は、起案教育こそが司法試験に役立つとの信念のもと、実務でも通用する正統派の講義を目指します。

新橋虎ノ門法律事務所の共同代表として、弁護士もやっております。
司法試験受験生に役立つ情報を提供していきます。

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