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2015年のニュースと司法試験(総論)

年末になると、今年のニュースを振り返ったりする番組があるものですが、
時事ネタというのが、司法試験の出題に影響を与えたりすることもあります。
例えば、フィルタリングやグーグルアース(のようなもの)が憲法で出題されたこともありました。

2015年のニュースで関係することころはこの辺りですかね。

~憲法~
・再婚禁止期間違憲判決
・1票の格差
・資格試験受験停止と職業選択の自由
・名誉毀損と表現の自由
・つくば市住民投票

~行政法~
・国立競技場白紙撤回
・辺野古埋め立て承認取消
・原発再稼働差し止め仮処分

~会社法~
・東芝不正会計問題
・郵政上場
・任天堂デーエヌエー資本提携

~労働法~
・改正労働者派遣法(将来)

まあ建造物侵入窃盗は、ニュースであげるまでもなく、良く出題されるので。

この中で、いくつかは、どのような出題が予想されるか、次回以降書いていきたいと思います。


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論証を短くする

前回の 論証とストーリー~立法者拘束説を題材にして の続き

前回、立法者拘束説の論証を示した。

憲法14条1項は、法適用の平等のみを定めているのか、法内容の平等のみを定めているのか。
この点、憲法14条1項は、「法の下」の平等を定めているので、法適用の平等のみを意味するという見解がある。
しかし、平等でない内容の法を平等に適用しても、平等は達成できない。
また、立法者が拘束されないとすると、日本国憲法が採用した法の支配の原理にも反する。
従って、憲法14条1項は、法内容の平等をも求めていると解すべきである。

こんな感じ。

これは理解する必要があるし、覚える必要もあるだろう(憲法の一般知識として)。
これくらい知らないと、短答式試験は解けない。

但し、憲法の論文でこんな冗長な論証を書いていると落ちます。
他の書くべきことが書けないから


おそらく、書くなら、X側の主張で、
「平等でない法を平等に適用しても、平等は達成できないので、憲法14条1項は、法内容の平等をも規定している」
程度にするだろう。

全体のバランスを考えて論証を短く書く。あっさり書く。
それは、論証を理解して覚えた上で、答練で訓練していくしかない。

論証を覚えたら、ぜひそれを答練等で使っていって欲しい。
論証を時には短く書いて、あてはめを厚くする。

刑法なんかでも、論証を短く書きたいなと思った人はいるはず。

逆に民訴の理論問題なんかは、論証を厚くする。
事案の特殊性に切り込めば厚くできるだろう

論証を覚えて吐き出すだけなら、学部の期末試験か、せいぜいロー入試だろう。

ぜひ、論証を理解して覚えたら、論証を短くしたり厚くしたりする訓練をして欲しい。

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論証とストーリー~立法者拘束説を題材に

受験生に人気の、「論証」。

試験委員が大嫌いな「」。

この「論証」について最近考えていることを書いてみる。

まず、確認しておきたいのは、学者の基本書等も、論証の流れになっていることだ

例えば、みんな知っている、憲法14条1項における「立法者拘束説」はこういうストーリーになっていることが多いだろう。


憲法14条1項は、「法の下」の平等を定めているので、法適用の平等のみを意味する。
すなわち、行政権・司法権は拘束するが、立法権は拘束しない。

しかし、法内容が不平等だと、それをいかに平等に適用しても、平等は実現できない。

そこで、前半の「法の下」の平等と、後段列挙事由の「差別されない」という文言に着目した説が生まれた。
すなわち、14条の後段列挙事由、すなわち、人種、信条、性別、社会的身分又は門地についての差別は、立法者を拘束するが
それ以外は、あくまで「法の下」の平等のみが要求されているので、立法者を拘束しないという説が表れた
(下の注参照)。

しかし、後段列挙事由以外にも許されない差別が存在する。

そこで、後段列挙事由に限定せず、「法内容の平等」が要求されると解するべきである。


といったようなストーリーだ。

そして、旧司法試験の「憲法14条について論ぜよ」というような一行問題ならともかく、事例問題なら、こんなに長く書けない。

そこで、このストーリーを短くして、自説を端的に導ける、書きやすい論理構造が求められた。それが「論証」である。

例えば、
憲法14条1項は、法適用の平等のみを定めているのか、法内容の平等のみを定めているのか。
この点、憲法14条1項は、「法の下」の平等を定めているので、法適用の平等のみを意味するという見解がある。
しかし、平等でない内容の法を平等に適用しても、平等は達成できない。
また、立法者が拘束されないとすると、日本国憲法が採用した法の支配の原理にも反する。
従って、憲法14条1項は、法内容の平等をも求めていると解すべきである。

このような論証は、旧司法試験時代には役立った。

しかし、冗長な論証は、現在の司法試験(新司法試験とすら呼ばなくなった)試験には役立たない

そこで、現代の試験に必要な論証を次回の記事で書きました
論証を短くする

注)14条1項の後段列挙事由のみ立法者を拘束するという説は、そこそこ有名なので、短答対策として覚えておいてください


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伝えるということ

論文を書くときは、試験委員に伝えるということを意識してほしい。

大事なことなのでもう一度言う。

自分の思考過程を試験委員に伝えて下さい

自分の結論を書く。

そして、なぜその結論に至ったか理由を書く。

普通の(通説的な)結論と違うなら、なおさらそう考えた理由を書く。

きちんと自分の思考過程の説明をする。

バカみたいな人たちが、○○説はもう採ったらダメなんだよなど、ドヤ顔で言う。
そんな人たちの言うことは聞かなくてよい。有害無益だから。

結論ではなく理由づけなのだ。

本試験では、理由づけを、普段より2割増しで丁寧に書くようにしてほしい

これは規範定立だけでなく、あてはめでも同様。
なぜそのようなあてはめになるか、理由(規範)を書く。

それだけで、あなたの答案は、普段より点数が伸びる。

説明する

伝える

試験本番でも意識してほしい。


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完全解という幻想

よく、論文試験に、「完全解」があると思っている受験生がいます。

ガイダンスで、論文試験の解説講義をすると、「完全解」を求めてくる受験生もいます。

気持ちはわかります。でも、司法試験の性質上、(例え時間制限がなくとも)、「完全解」はありません

この幻想を解かないと、司法試験には合格しません

純粋に、法律学を追及するなら、理想の解釈、理想の条文、理想の立法はあり得ましょう(少なくともその人の中では)。

しかし、司法試験は実務家登用試験です。

弁護士は、クライアントの意向を最大化する仕事です。裁判官は、当事者が提出した資料という限界の中で、真実を探る仕事です。

全て、限界があります

もし「完全解」があるという幻想を抱いているなら、つらいかもしれませんが、早く捨てて下さい。

そして、2時間の中で、何とか問題文にくらいついて、条文を探し、解釈上の問題点を探し、あてはめをしていくイメージを持ってください。


○○説を採ったらダメだなんてことはあり得ません

そんな呪縛から早く抜け出して下さい。

それなりに筋の通った規範を立て、あてはめができれば受かる試験です。

試験まで1か月少しの今、周りのノイズに惑わされないでください

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プロフィール

takeyama

Author:takeyama
知識じゃなくて、リーガルマインドと伝える力
を養成することを目標とする、
LEC東京リーガルマインド司法試験講師武山茂樹のブログです。

近年、司法試験業界でも、まやかしのような勉強法が流行しています。
しかし、起案とその吟味の繰り返しでしか実力はつきません。
私は、起案教育こそが司法試験に役立つとの信念のもと、実務でも通用する正統派の講義を目指します。

新橋虎ノ門法律事務所の共同代表として、弁護士もやっております。
司法試験受験生に役立つ情報を提供していきます。

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