ガイダンスでも話したことだが、ノート代わりにブログにも記載しておく。
憲法の短答にでる、判例問題が苦手という人がいる。
そのような方は、
普段の判例学習が間違っていると思う。
やや易しめの、平成26年度公法系第3問(予備試験では第2問)で見てみよう。
この程度の問題でも、完全解答できる受験生はそう多くはない。
〔第3問〕(配点:3)
法の下の平等に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らして,
それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからウの順に[№
5]から[№7])
ア.日本国籍は重要な法的地位であり,父母の婚姻による嫡出子たる身分の取得は子が自らの意
思や努力によっては変えられない事柄であることから,こうした事柄により国籍取得に関して
区別することに合理的な理由があるか否かについては,慎重な検討が必要である。[№5]
イ.非嫡出子という身分は子が自らの意思や努力によって変えることはできないから,嫡出性の
有無による法定相続分の区別の合理性については,立法目的自体の合理性及び当該目的と手段
との実質的関連性についてより強い合理性の存否を検討すべきである。[№6]
ウ.尊属殺という特別の罪を設け,刑罰を加重すること自体は直ちに違憲とはならないが,加重
の程度が極端であって,立法目的達成の手段として甚だしく均衡を失し,これを正当化し得べ
き根拠を見出し得ないときは,その差別は著しく不合理なものとして違憲となる。[№7]
答えは当然順に1、2、1である。
これが正解できなかった、あるいは根拠があいまいだった人は、判例学習で次のことを心がけてほしい。
まず、判旨を読んで、
判例はどんな基準(審査基準)を使っているか読み取る。
そして、それがどう
あてはめされているのかを読み取る。
これだけだ。これができていない受験生が多い。
たとえば、アの選択肢の元となった国籍法事件では、
14条違反の審査基準は、「合理的か否か」という基準を用いている。
これは、昔から判例が用いている基準である。
しかし、
本人の意思や努力によっても変えることができないという特殊事情を重視して、審査密度を上げている。
重要なのは、枠組み自体は堅持しているということだ。
このことを理解すれば、特殊事情で「枠組み」自体を変化させているイは誤りだということがわかる。
ウは尊属殺の判例をきちんと理解していればわかるだろう。
素材はどの判例集でもかまわないが、私は百選を勧めている。最近の百選は解説が受験向きだからだ。
百選を自分で読んでも十分学習できるが、よりスピーディーにマスターした方は、私の
憲法判例百選Ⅰ・Ⅱ<第6版>スピード攻略講座を受講していただきたい。
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