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司法試験と公務員との併願(直前期)

司法試験と公務員を併願する受験生の方は結構いらっしゃいます。

これは最近の傾向ではなくて、昔から、国家一種試験と司法試験を併願する人はいらっしゃいました。
旧司法試験で選択科目があった時代は、行政法も選択科目にありましたからね。

さて、このブログを見ている方は、司法試験直前期の方が多いと思いますので、直前期の方へアドバイス。
(まだまだ公務員の願書は間に合いますので、少しでも公務員を受験する可能性のある方は参考にして下さい)。
また公務員試験はあくまで法律科目を受験科目とする、一般的な行政職(含む国家総合職の法律職)を念頭に置いてあります。

司法試験と公務員試験の両方の合格を目指す方は、司法試験までは、司法試験に全力を注ぎましょう
ただ、その際、憲法・民法・行政法の比重を上げておきます
この3科目は、たいていの公務員試験で出題されますし、司法試験で高得点とるにこしたことはありません
つまり、この3科目は、重なっているかつ、両試験の重要科目なのです

その際、判例もしっかり見ておくようにして下さい。
それだけで、公務員試験の点数の取れ方がだいぶ違います。

一般教養科目は、司法試験が終わってからやればいいのです。

※比重を上げる必要はありませんが、刑法の短答も一応やっておきましょう。

ただ、他の科目の勉強が気分転換になる方は、数的処理・判断推理の問題を1日1問解いたり、英語の文章理解の問題を1日1題解くくらいはよいと思います。

両試験を併願される方、ぜひ参考にして下さい。


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弁護士の魅力とは

司法試験の勉強をしていると、弁護士の魅力がなくなった、弁護士が稼げないなどのマスコミの報道に接して
気分が暗くなることもあるでしょう。

でも、それはマスコミの煽りであって、まだまだ弁護士には、他の職業にはない魅力があります。

少し前に、私が弁護士の魅力について書いた記事がありますので、試験時間の合間にでも読んでみて下さい。

司法試験の最新潮流とトレンド
民法改正によりリーガルチェックのバブルが来る!
第三者委員会等公的な仕事は拡充傾向!社内弁護士や公務員、政治家等にもフィールド拡大!


この時期は、モチベーションを高めていくことも重要です。


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ちょっとした工夫で個別行政法を得意に

司法試験の行政法の解答を作成するには、個別行政法の仕組み解釈が不可欠だ。

処分性の有無を決定するにしても、行政裁量の有無や幅を決定するにしても、結局は個別行政法の解釈である。

そして、そのためには仕組み解釈を身につけなければならない。

でも、ここでは、もっと気軽に個別行政法を得意にすることを考えよう。
仕組み解釈以前に、出題された個別行政法をさっと読んで、どのような制度構造になっているのか読み解く能力は必要不可欠である

そのためには、答練や問題集で出会った仕組みを、ちょっと深めてみる のがいい。

例えば、過去問をやっていて「2項道路」という制度に出会った。

まず、ネットで、「2項道路」を検索してほしい。

ネット社会だから、結構制度のわかりやすい解説が出てくる。
それを読んで「2項道路」の仕組みをざっと理解する。

次に、個別法の条文に当たって、その制度がどこに規定されていて、どのような制度なのかを読み解く
「2項道路」なら、建築基準法の該当条文を読む。

先に制度の概要がわかっているので、条文も読みやすくなっているはずだ。

このように、制度に出会ったたびに個別の条文をチェックすれば、あなたの個別条文を読む能力は伸びていく。

今からでも遅くないので、始めてみて下さい。



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この時期はどんどん答案を書こう

答案を書かないと、司法試験は受かりません。

知識のインプットも大事だけど、この時期は答案を書きましょう。

答案を書いて、その問題を復習することで、違った角度から論点が見えてきて、理解が深まることがあります。

これは基本書や予備校本をべたーっと読んでいても身に付かないことです。

司法研修所での研修の中心も「起案」(いわゆる答練)です。

法曹が、法律文書を書く仕事である以上、当然ではあります。

とにかく、この時期、毎日でなくてもよいので答案を書いてください。

2日に一回は書いてください。

仕事をしながらの方、大変ですけど、3日に一回は書きましょう。
あるいは、平日はスキマ時間を使っての知識のインプット、休日はどかっと答案練習をしましょう。

今、私はLECの模試の解説講義の準備をしているのですが、(少なくとも)私の担当している公法系はいい問題です。

公法系は答案の書き方、形がすごい重要なので、余裕があればぜひどうぞ。

2016年合格目標 全国ファイナル公開模試(ファイナル編)

ファイナル編とセミファイナル編が一緒になった模試パックもあります。

全国公開模試 模試パック


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知識の補充より答案の書き方の修正を

この時期にくると、知識のインプットに走る人がいる。

例えば論証を覚えたり、判例六法を頭から読んだり。

知識の補充自体は間違っていないし、必要だ。

そして、知識が圧倒的に足りてない人は、論証を理解して覚える必要がある。

しかし、ある程度知識があるのに受からない人。
特に、答練で40点台前半を連発している人は、答案の書き方を改善する必要がある。

まだ、2月。試験本番まで3か月あるので、答案の書き方はまだまだ改善できる。

問題文を読んで論点を落としていないか

問題提起ができているか=論点を論じる実益を理解しているか

規範定立はできているか

あてはめはしっかりできているか

答練を受けるたび、あるいは自分で答案を書くたびに確認してほしい。

まだ間に合う。でも今やらないと間に合わない。


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民事執行・保全法講義6~既判力の時的限界

さて、本日は民訴でもおなじみの、既判力の時的限界の議論です。

前回の講義についてはこちら→民事執行・保全法講義5~請求異議訴訟総論【司法試験も必須】

民事執行法
(請求異議の訴え)
第三十五条  債務名義(第二十二条第二号、第三号の二又は第四号に掲げる債務名義で確定前のものを除く。以下この項において同じ。)に係る請求権の存在又は内容について異議のある債務者は、その債務名義による強制執行の不許を求めるために、請求異議の訴えを提起することができる。裁判以外の債務名義の成立について異議のある債務者も、同様とする。
2  確定判決についての異議の事由は、口頭弁論の終結後に生じたものに限る。
3  第三十三条第二項及び前条第二項の規定は、第一項の訴えについて準用する。

この民執35条2項が、既判力の時的限界を示す条文です。
上告審は法律審であるため、事実審の口頭弁論終結時が既判力の時的限界ということになります。

すなわち、事実審の口頭弁論が平成25年10月1日に終結し、「AはBに金100万円を支払え」との判決が出たとします。
Bは、事実審の口頭弁論終結前である平成25年9月1日に弁済したから、請求権は消滅したとの主張を、請求異議の訴えでなすことができません(もちろん他の訴訟でも主張できません)。このことを、既判力により遮断されるといいます。

しかし、事実審の口頭弁論終結後である平成26年1月7日に弁済した旨の主張は、後訴である請求異議の訴えでなすことができます。

以下、既判力で遮断されるか争いのあるものを述べます。

1、遮断されるもの
①無効の主張
 当然遮断されます。前訴で錯誤無効を主張できたなら、それを後訴で主張することはできなくなります。
②取消権
 遮断されるというのが判例です。取消権は形成権なので、遮断後の事由とも思えるのですが、取消事由より重大な無効が遮断されるのだから、当然だという論拠と、取消権は請求権自体に付着する瑕疵なので口頭弁論終結前から存在していたというのが論拠です。
③解除権
 遮断されるというのが伝統的通説です。その論拠は取消権と同様です。

2、遮断されないもの
①相殺権
 遮断されません。前訴から存在していた反対債権を、後訴で相殺に供することができます。
相殺は債権に付着するものではないし、相殺の主張は実質敗訴なので、前訴で主張する期待可能性もないことが論拠です。
②建物買取請求権
 遮断されません。建物買取請求権は、建物収去土地明渡請求権に内在する瑕疵ではないからです。
 なお、建物買取請求権は、形成権であり、行使すると売買契約が成立することになるので、建物収去土地明渡請求は、建物の引渡請求として一部認容となります。
③手形の白地補充権の行使
 請求異議の問題ではないですが扱います。
 白地手形の所持人が白地を補充しなかったため、手形義務者に対する支払請求訴訟で敗訴したのちに、所持人はその後に白地手形補充権を行使して手形金を請求することは、特段の事情がない限りできません。前訴で補充できたからです。

3、限定承認
①AがBに無留保の支払請求をし、確定した後、Bが限定承認を主張して請求異議の訴えを提起する場合
→Bの限定承認の主張は遮断されない(判例)
 限定承認は債権の存否の問題ではなく執行段階で問題になることから

②相続財産の限度で支払えと限定した給付判決が出た後に、その判決基準時前に存在した民法921条の限定承認無効事由を主張すること
→遮断されます。
 前訴で主張できたこと、限定承認が認められた場合は主文にそのことが明示されるから、限定承認の存在及び効力についての前訴の判断には、既判力に準ずる効力があることがその理由です。

このように民事執行法の理解には、民訴の復習も有効です。
民訴判例を学習したい方はこちらの講座も参考にして下さい。
判例百選スピード攻略講座【科目別】


※ご連絡
 以前書いた、おとり捜査で考えたいこと 加筆しました。
 直接の被害者がいないことは、相当性判断のほかに必要性判断にも影響します。


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会場の下見をしないとひどい目に遭うかも

先週、司法試験の試験会場が発表されました。

http://www.moj.go.jp/content/001169754.pdf

可能な限り、試験会場の下見はした方がよいと思います。

しかも、夜とかではなく、試験の始まる時間の1時間くらい前に会場に着くようにシミュレートして。

余談ですが、私は某試験を受ける際に、会場を「日本橋にあるTKPの会議場」とだけ覚えて
あとは何とかなるだろうと行ったらひどい目にあいました


TKPの会議場は、日本橋だけで何箇所もあります

このような失敗をしないように、ぜひ下見をして下さい。


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今日は建国記念日~そろそろ短答対策を

今日は2月11日、建国記念日ですね。本試験までおよそ3ヶ月となりました。

まああまり関係ないかもしれないけど、建国記念日あたりから、短答対策を始めたほうがよいです。

もちろん、司法試験は論文試験がメインです。
論文の勉強を中心にすべきことは言うまでもありません。

しかし、昨年から短答が3科目になって、足きりのリスクは増えたように感じます。

昔は、公法系というくくりで足きりラインが決まっていたため、憲法で失敗しても行政法で稼げば足きりは免れた。
しかし、今は憲法単体で足きりが決まるので、憲法の失敗を行政法で挽回できません


ですから、短答の勉強も少しでいいので、忘れないで欲しいのです

私は、短答がそこそこ取れる人は、短答にも論文にも両方役立つ学習をすればよいと思います。

憲法で言えば、百選の判例の見直しと条文の見直し。できれば、統治機構の理論も基本書で確認しておく。

民法は、条文の確認。特に、共有や多数当事者の債権債務関係や家族法など、普段手薄なところを基本書で確認。

刑法は、短答プロパー(刑罰論など)の条文を確認。あとは、各論の細かいところまでやっておく。

そして、過去問をやれば充分だと思っています。

ただ、どうしても短答が苦手、あるいは不安な方は講座を取るのもよいでしょう。

私の短答過去問コンプリートマスターは、憲法民法刑法の基本事項のインプットをレジュメを用いた講義でまず行い
その後問題演習をします。
知識の定着のため、分野ごとに 講義→問題演習 をやっていきます。
例えば、憲法の13条と14条の講義が終わったら、すぐに問題演習をするという形です。

講義時間を目減りさせないため、問題は講義の外で予習してきてもらっています。
興味がある方は、ぜひご検討下さい。3科目一括も、科目別の購入も可能です。

短答過去問コンプリートマスター

また、判例百選講座も好評発売中です。全科目一括も、科目別の購入も可能です。

判例百選スピード攻略講座【一括】



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おとり捜査で考えたいこと

学者と生徒の会話風に

学者:おとり捜査が許される要件について、判例ではなんと述べられているかね。

生徒:はい。①直接の被害者がいない薬物犯罪等の捜査において、②通常の捜査方法のみでは当該犯罪の摘発が困難である場合に、③機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者を対象とするのであれば、任意捜査として許容されると述べられています。

学者:君はよく勉強しているね。では、なぜ直接の被害者がいる犯罪では、おとり捜査は許されないのかね。

生徒:。。。。。


さあ、なぜでしょう。
答えは簡単ですね。


殺し屋を摘発するために、武山を殺すよう依頼するおとり捜査。
犯意誘発型か機会提供型か論じる以前に、当然、認められないですよね。

直接の被害者がいる犯罪は、被害を生み出してしまうから、おとり捜査は認められないんです。

(薬物犯罪は、薬物を使うのは自由だろという議論をつぶすために、薬物の流通に加担する罪だという構成を
公権力側は取っているため、「直接の被害者はいない」ということになっています)。

もちろん、お決まりの、強制処分か否か(おとり捜査は意思を制圧しないので通常は任意処分)、
任意処分としての限界を超えないか、との枠組みで論じてよいのですが、
その際は、「直接の被害者がいない」ことは、相当性判断に関わってくることになります。

※直接の被害者がいない→被害者供述を得にくい→おとり捜査が必要
と必要性判断にもかかわります(加筆しました)



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プロフィール

takeyama

Author:takeyama
知識じゃなくて、リーガルマインドと伝える力
を養成することを目標とする、
LEC東京リーガルマインド司法試験講師武山茂樹のブログです。

近年、司法試験業界でも、まやかしのような勉強法が流行しています。
しかし、起案とその吟味の繰り返しでしか実力はつきません。
私は、起案教育こそが司法試験に役立つとの信念のもと、実務でも通用する正統派の講義を目指します。

新橋虎ノ門法律事務所の共同代表として、弁護士もやっております。
司法試験受験生に役立つ情報を提供していきます。

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