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表現の自由と国家の援助が再び問題に

表現の不自由展の問題がありましたが、憲法ではよく「表現の自由と国家の援助」ということが問題になります。

古くは天皇コラージュ事件というものもありました。

気になる方は調べていただくとして、

まず、表現の自由とは、人権の中の自由権というものになります。

自由権は、妨害排除請求権といってもよいでしょう。

公権力(国や地方公共団体)に対し、邪魔をするなという権利です。

例えば、Aさんが本を出版したが、内容が気に食わないとして、国が刑罰を科したり、出版禁止にすることは、Aさんの表現の自由を邪魔していることになるので、Aさんの表現の自由を侵害します。

一方で、表現の自由はあくまで自由権なので、国家に対し援助しろとは言えません。
国家に対し援助してくれという権利は、請求権と言います。

例えば、Bさんが自分の絵画を人に見せたいので、県立の美術館の絵画を展示してくれ、これは請求権となります。
Bさんが自分のお金で、自分で開拓した販路で絵画を流通させることは、表現の自由の範囲内です。
但し、国や地方公共団体の援助を求めるのは、請求権になるので、表現の自由から導かれる権利とはなりません。

ここで、例外があります。
例えば、Cさんは自分の本がY県の図書館に収蔵されているとします。
仮に、Cさんの本がY県の図書館に収蔵されている状態が憲法上保障されているとすれば、
公権力が「収蔵されている状態から収蔵されていない状態に切り下げようとしている」時には、
邪魔をするな、やめろということができます。

権利の切り下げに対しては、妨害排除請求権、すなわち自由権を主張することができるのです。

但し、大前提として、収蔵されている状態が「憲法上保障されていること」が必要です(このように言うためにはかなりハードルの高い議論が必要だと思ってください)。

判例としては船橋市図書館事件が参考になるでしょう。

司法試験の憲法の問題は、時事的なテーマも題材になるので、ぜひいろいろなニュースを憲法的な視点から考えてみてください。

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プロフィール

takeyama

Author:takeyama
知識じゃなくて、リーガルマインドと伝える力
を養成することを目標とする、
LEC東京リーガルマインド司法試験講師武山茂樹のブログです。

近年、司法試験業界でも、まやかしのような勉強法が流行しています。
しかし、起案とその吟味の繰り返しでしか実力はつきません。
私は、起案教育こそが司法試験に役立つとの信念のもと、実務でも通用する正統派の講義を目指します。

新橋虎ノ門法律事務所の共同代表として、弁護士もやっております。
司法試験受験生に役立つ情報を提供していきます。

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