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憲法ダメな答案よい答案~採点実感分析ガイダンスのメモ

昨日、LEC渋谷駅前本校で、採点実感分析ガイダンスを行いました。

そこで、実際の答案例(H26年の問題と採点実感を素材)をお示ししましたが、受講者の便宜のためここに掲載いたします。

尚、ガイダンスを聞いていない方にも参考になると思いますが、パーフェクトな解答例を示したものではなく、こういう方向に書いていくんだというのを示したに過ぎないので、あくまで参考にとどめてください。


1、 複合的目的について触れる

× 本件条例の目的は、タクシーによる輸送の安全確保、自然保護と観光客の安全安心に配慮することなので、消極目的規制である。

○ 本件条例の目的は、タクシーによる輸送の安全確保、自然保護と観光客の安全安心に配慮して観光振興を図ることと、条例には記載されている(条例1条)。しかし、法令の目的は、条文から形式的に読み取るだけでなく、実質的に解釈されなければならない。 
 確かに、条例制定の背景には、観光客が増えて交通量が増加し、排気ガス等による環境破壊が問題になっていること、また、道路に不慣れな自家用車や観光バス等が交通事故を起こしていたなどの事情があるので、本件条例は消極目的規制の側面もある。一方で、C社の新規参入に対し、B市のタクシー事業者の団体が反対集会を行っていること、条例の規制が実質的にはC社の締め出しになっていること、A県に本社のあるD自動車会社だけが車種要件を満たす電気自動車を製造・販売していることに鑑みると、地域経済を振興させるという積極目的規制の側面があることも否定できない。

※(憲法理論から離れて)問題文を素直によめば、複合的目的なのは明らかです。
知っていることに問題文を近づけるのではなく、まず問題文からアプローチしていくことが大切です。

2、 審査基準と結論の理由なき逆転

× ~という理由から厳格審査基準を取るべきである。
 ここで、本件条例の目的は、タクシーによる輸送の安全確保、自然保護と観光客の安全安心に配慮することなので必要不可欠である。
 そして、規制も~の程度にとどまるので必要最小限度である。よって合憲である。

※厳格審査基準を取りながら合憲とするなら、かなり説得的な理由が必要だということです。
逆(明白性なのに違憲など)もしかり。

3、 審査基準の理由づけ

× 本件条例は経済的自由の規制だから、明白性の基準で判断する

? 本件条例は経済的自由の規制である。そして、経済的自由は、民主政の過程に関わる精神的自由より価値の面で劣るということ、経済的自由の規制は民主政の過程で是正できることから、精神的自由より緩やかな基準で判断する。そして、本件は消極目的規制であるので、厳格な合理性の基準で判断する。

※消極目的規制であるとの論述をしっかりした上で、あてはめの部分で職業選択の自由か職業遂行の自由を考慮したらそれなりに良好だろう

○  <条例の目的を認定した上で>積極目的規制とも消極目的規制とも取れるので、そこは違憲審査基準の決めてにはならない。
 むしろ、権利の性質と制約の態様から具体的に考えるべきである。
ここで、制約されている権利は、C社が自然保護地域でタクシー営業をする自由である。C社は観光振興への寄与を訴えてはいるが、それはC社が営業をした結果であり、C社が観光振興を目的として営業するわけではない。そして、他にこの地域でタクシー営業をする企業がある以上、価格競争の面を除けば、消費者の利益を考慮する必要もない。すなわち、C社の権利は、社会性が希薄であり、さらにC社の人格的利益とも関係ない権利である。
一方で、本件制約は一見、基準を満たせば自然保護地域で営業できるため、態様は緩やかだとも思える。しかし、~という理由から、C社が実際上許可を得ることは不可能に近い。さらに、4条2号の要件は本人の努力ではいかんともしがたいものである。すなわち、C社の新規参入を実際上は不可能にするような厳しい態様なのである。
   このように、権利はそれほど重要ではないが、制約態様が厳しいことに鑑みて厳格な合理性の基準を用いるべきである。

4、関連性の認定と関連性の程度

× 4条1号の要件を満たすタクシー車種のみ認めることは、観光客の安全・安心に配慮するという目的達成に役立つので実質的関連性がある。

○ 4条1号の要件を満たすタクシー車種のみ認めることは、おそらく自己が起こった際にエアバッグがあれば、車内のにいる者の安全が守られるということと、AED搭載により心室細動が起こった者の救命が図られるという点で、事故が起こった際のタクシーの輸送の安全確保と観光客の安全・安心につながることは間違いない。
 但し、タクシーの輸送の安全確保というのもいろいろな観点があり、事後的な予防措置もさることながら、事前のスピード規制など様々な手段が考えられる。しかし、事故が多かった事情に鑑みると、このような事後的措置も重要であり、輸送安全確保という目的達成にとって実質的関連性があるといえる。
 一方で、観光客は、事後に自己が起こっても大丈夫ということで、観光が安全・安心だとは思わない。事前に事故を防ぐことが重要である。とすれば、当該規制は目的達成にそれほど役立たず実質的関連性がないといえる。


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takeyama

Author:takeyama
知識じゃなくて、リーガルマインドと伝える力
を養成することを目標とする、
LEC東京リーガルマインド司法試験講師武山茂樹のブログです。

近年、司法試験業界でも、まやかしのような勉強法が流行しています。
しかし、起案とその吟味の繰り返しでしか実力はつきません。
私は、起案教育こそが司法試験に役立つとの信念のもと、実務でも通用する正統派の講義を目指します。

新橋虎ノ門法律事務所の共同代表として、弁護士もやっております。
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