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境界確定訴訟の基礎知識チェック

今日は、境界確定訴訟の基礎知識チェック。

処分権主義や当事者適格、弁論主義とも絡み、直前期にはチェックしておきたいところ。

2010年民事系第56問を題材に解説していく。

理由を付けて正誤を判断してほしい。
(論点を論文で書くことをイメージして理由づけしてほしい)。

リラックスして解いてみてほしい。

〔第56問〕(配点:2)
筆界(境界)確定の訴えに関する次のアからオまでの各記述のうち,判例の趣旨に照らし誤って
いるものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№68])

ア.甲地の所有者Xが甲地に隣接する乙地の所有者Yに対し,甲地と乙地の筆界(境界)確定の
訴えを提起した場合に,Yが甲地のうち筆界の全部に接する部分を時効取得したときには,筆
界の両側の土地がYの所有に帰することになるから,Xは原告適格を喪失する。

イ.X所有の甲地とY1及びY2が共有する乙地が隣接する場合に,Xが甲地と乙地の筆界(境
界)確定の訴えを提起するときには,必ず共有者Y1及びY2の両者を被告としなければなら
ない。

ウ.所有権に基づく土地明渡請求訴訟の係属中に,原告が被告に対し,原告の所有地とそれに隣
接する被告の所有地との筆界(境界)確定を求めて追加的に提起した訴えは,土地明渡請求訴
訟に関する中間確認の訴えには当たらない。

エ.筆界(境界)確定の訴えの控訴審においては,不利益変更禁止の原則の適用はない。

オ.筆界(境界)確定の訴えにおいて,両当事者が隣接する土地の間にある溝の中央線を筆界と
する旨を合意した場合には,裁判所は当該合意に従って筆界(境界)を定めなければならない。

1.アウ2.アオ3.イエ4.イオ5.ウエ


では解説。
アは当然×。
Xは原告適格を失わない。なぜなら、このように筆界の全部に接する部分を時効取得しても、境界に争いがある隣接土地の所有者同士という関係にあることには変わりはないから。

イは○。
このように土地の一方又は双方が共有の場合は、共有者全員の関与が必要な固有必要的共同訴訟となる。

ウは○。
中間確認の訴えは、本来の請求と新請求との間に、前提関係が存在することが必要である。
本件のように、前提関係が存在しない場合、中間確認の訴えとはならない。

中間確認の訴えは手薄だと思うが、原告が提起する場合は訴えの追加的変更の特別類型、被告が提起する場合は反訴の特別類型であることを忘れずに。

エは○。
境界確定訴訟は、形式的形成訴訟であり、処分権主義・弁論主義が妥当しない。
控訴審における不利益変更禁止原則は、処分権主義の表れであることも忘れずに。

オも×。処分権主義も妥当しないし、公法上の土地の境界は、所有権の範囲ではないので、そもそも当事者が処分できないからである。

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を養成することを目標とする、
LEC東京リーガルマインド司法試験講師武山茂樹のブログです。

近年、司法試験業界でも、まやかしのような勉強法が流行しています。
しかし、起案とその吟味の繰り返しでしか実力はつきません。
私は、起案教育こそが司法試験に役立つとの信念のもと、実務でも通用する正統派の講義を目指します。

新橋虎ノ門法律事務所の共同代表として、弁護士もやっております。
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