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民事執行・保全法講義3~債務名義

民事執行・保全法講義の3回目です。

前回の講義はこちら→民事執行・保全法講義2~強制執行の種類

債務名義」とは、強制執行に適する請求権の存在及び範囲を証明する公正の証書で、執行力を与えられたもの をいいます。
確定した給付判決が代表的です。
強制執行は、この債務名義によって行われます(民執22条)。
そして、強制執行の実施には、「執行文の付された債務名義の正本」が必要です(民執25条)。
執行文は後でやりますが、裁判所書記官が債務名義が確かなことを確認した文くらいの意味だととりあえず思っておいて下さい。

債務名義の一覧は、民執22条各号にあります。

確定判決(1号)
 条文上の文言は、「判決」ですが、給付判決のみが債務名義となります。確認判決および形成判決は、強制執行を予定していないからです。また、給付判決でも執行力がない場合があります(例:彫刻家に芸術的な彫刻を作らせる義務)。

仮執行の宣言を付した判決(2号)
 判決確定前でも、仮執行宣言を付すことができます(民事訴訟法294条)。
仮執行宣言付の判決は、債務名義となります。

③抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判(確定しなければその効力を生じない裁判にあつては、確定したものに限る(3号)
 引渡命令(民執83条)が典型例なことを覚えておけば十分です。
 なお、3号の2の損害賠償命令は、犯罪被害者保護法26条の損害賠償命令です。
 3号の3は、平成25年改正で追加されましたが特に気にしなくてよいです(受験対策上は)。

④仮執行の宣言を付した支払督促(4号)
 督促手続はそのうち解説しようと思いますが、民事訴訟法382条以下にあります。
 4号の2は条文を一読しておけば十分。

執行証書(5号)
 予備試験の民事実務では重要でしょう。
金銭の一定の額の支払またはその他の代替物もしくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求」について「公証人が作成した公正証書」である、「債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載」されているものをいいます。
 
 よくあるのが、お金を借りたときに、執行受諾文言(直ちに強制執行に服する旨の文言)を入れて公正証書を作るということです。
あくまで、金銭・その他の代替物・有価証券等に使えるものなので、
建物の明渡し債務等には使えないことに注意して下さい!!

⑥確定した執行判決のある外国裁判所の判決(6号)
 一読で十分、なお6号の2もある

⑦確定判決と同一の効力を有するもの(3号を除く)(7号)。
 和解調書などが代表例である。

 とくに大事なのが、①②⑤⑦なので、覚えておこう。
次回は債務名義に関する細かい論点を取扱います→民事執行・保全法講義4~執行証書に関わる論点


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プロフィール

takeyama

Author:takeyama
知識じゃなくて、リーガルマインドと伝える力
を養成することを目標とする、
LEC東京リーガルマインド司法試験講師武山茂樹のブログです。

近年、司法試験業界でも、まやかしのような勉強法が流行しています。
しかし、起案とその吟味の繰り返しでしか実力はつきません。
私は、起案教育こそが司法試験に役立つとの信念のもと、実務でも通用する正統派の講義を目指します。

新橋虎ノ門法律事務所の共同代表として、弁護士もやっております。
司法試験受験生に役立つ情報を提供していきます。

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