FC2ブログ

論証とストーリー~立法者拘束説を題材に

受験生に人気の、「論証」。

試験委員が大嫌いな「」。

この「論証」について最近考えていることを書いてみる。

まず、確認しておきたいのは、学者の基本書等も、論証の流れになっていることだ

例えば、みんな知っている、憲法14条1項における「立法者拘束説」はこういうストーリーになっていることが多いだろう。


憲法14条1項は、「法の下」の平等を定めているので、法適用の平等のみを意味する。
すなわち、行政権・司法権は拘束するが、立法権は拘束しない。

しかし、法内容が不平等だと、それをいかに平等に適用しても、平等は実現できない。

そこで、前半の「法の下」の平等と、後段列挙事由の「差別されない」という文言に着目した説が生まれた。
すなわち、14条の後段列挙事由、すなわち、人種、信条、性別、社会的身分又は門地についての差別は、立法者を拘束するが
それ以外は、あくまで「法の下」の平等のみが要求されているので、立法者を拘束しないという説が表れた
(下の注参照)。

しかし、後段列挙事由以外にも許されない差別が存在する。

そこで、後段列挙事由に限定せず、「法内容の平等」が要求されると解するべきである。


といったようなストーリーだ。

そして、旧司法試験の「憲法14条について論ぜよ」というような一行問題ならともかく、事例問題なら、こんなに長く書けない。

そこで、このストーリーを短くして、自説を端的に導ける、書きやすい論理構造が求められた。それが「論証」である。

例えば、
憲法14条1項は、法適用の平等のみを定めているのか、法内容の平等のみを定めているのか。
この点、憲法14条1項は、「法の下」の平等を定めているので、法適用の平等のみを意味するという見解がある。
しかし、平等でない内容の法を平等に適用しても、平等は達成できない。
また、立法者が拘束されないとすると、日本国憲法が採用した法の支配の原理にも反する。
従って、憲法14条1項は、法内容の平等をも求めていると解すべきである。

このような論証は、旧司法試験時代には役立った。

しかし、冗長な論証は、現在の司法試験(新司法試験とすら呼ばなくなった)試験には役立たない

そこで、現代の試験に必要な論証を次回の記事で書きました
論証を短くする

注)14条1項の後段列挙事由のみ立法者を拘束するという説は、そこそこ有名なので、短答対策として覚えておいてください


司法試験 ブログランキングへ
にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ
にほんブログ村



スポンサーサイト



プロフィール

takeyama

Author:takeyama
知識じゃなくて、リーガルマインドと伝える力
を養成することを目標とする、
LEC東京リーガルマインド司法試験講師武山茂樹のブログです。

近年、司法試験業界でも、まやかしのような勉強法が流行しています。
しかし、起案とその吟味の繰り返しでしか実力はつきません。
私は、起案教育こそが司法試験に役立つとの信念のもと、実務でも通用する正統派の講義を目指します。

新橋虎ノ門法律事務所の共同代表として、弁護士もやっております。
司法試験受験生に役立つ情報を提供していきます。

★その他のブログ等
司法試験と予備試験

一般の方向けのブログはこちら
世界一わかりやすい法律の授業を目指すブログ

不動産の法務と税務

起業の法務と税務

民法の初学者向けのブログはこちら
民法を得意にする!

一般の方向けのブログはこちら
世界一わかりやすい法律の授業を目指すブログ

Twitter
→https://twitter.com/takeyam33102813

LECの無料公開講義一覧
無料公開講座・実務家講演会のご案内(司法試験受験生向け、中上級)
資格説明会・公開講座 【関東】 (予備・法科大学院受験生向け)

you tube無料公開講座

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR